高円宮家の典子さまと出雲大社の神職の千家国麿さんのご結婚、おめでとうございます。

で、この天皇家と出雲大社との関係が少しややこしく、報道でもちょいちょい誤報がありますので、訂正してゆきます。

結婚報道で、「古代、出雲とヤマトという対立した家系同士の世紀の結婚」、のようにコメントされている方がけっこういらっしゃいました。

まず、古代において、ヤマトと出雲は確かに対立していましたが、

「天皇家と出雲大社は敵ではありません」

まず、家系で見ますと、アマテラスとスサノオの誓約(うけい)において、アマテラスの玉から生まれた5人の中の一人が、今回の主役、出雲大社国造家のご先祖様である、天穂日命(アメノホヒノミコト)です。その5人の中に天皇家の祖先、天之忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)もおり、兄弟ということになります。つまり、天皇家の祖先も、出雲大社の国造家(こくそうけ)の祖先も、遠く辿ると同じ、アマテラス大御神ということになります。何十代もつづく長ーい家系図のトップにアマテラスという最高神の神様の名前があるわけですから、両家とも大変な家系ですよね。

前にも書きました「国譲り」で見ますと、
「国譲り」

「国譲り」では、アマテラスから派遣されてきた遣いに対し、大国主命はいろいろあった後、「天の御舎(あめのみあらか)」、つまり後の世「出雲大社」を作ることを条件にアマテラスのヤマト族に国を譲ることを認めます。

「この葦原の中心の國は仰せの通り獻上致しましよう。ただわたくしの住所を天の御子の帝位にお登りになる壯大な御殿の通りに、大磐石に柱を太く立て大空に棟木を高くあげてお作り下さるならば、わたくしは所々の隅に隱れておりましよう。」(青空文庫「古事記」より)

そして、この大国主命の宮を祀るよう任命されたのが、天穂日(アメノホヒ)です。
よく読むと「国譲り」において、アメノホヒは始めに大国主命に寝返ってしまい、復命しなかった神さまですが、どうした流れかこの宮を祀ることになり、アメノホヒの子孫は代々、出雲国造家として大国主命を祀る家系として跡を継いでゆきます。
それが千家家です。

この千家家が大変な家でして、ただの神主の家だと思ったら大間違いなんです。
そのことを詳しく知ることができるのが

『出雲大社』(千家尊統 著)
千家 尊統
2012-06


なのですが、これがこの国造家に与えられた運命というか、使命を垣間見ることができ、大変面白い一冊です。
古代史研究家の方々の本の中にも良くこの本が参照されていますので、興味のある方は是非ご覧ください。

ともあれ、今回は大変おめでたい話し。
末永くお幸せに♪

はしあきでした。