伊都国を中心に、奴国、不弥国、投馬国まで放射線状に距離を書いているとする説。
さらに『邪馬台国』の所在は「畿内説」「九州説」とあります。
「畿内説」「九州説」等、自説に結び付けるため、さまざまな技を駆使し(?)そのままの説明では海に飛び出してしまう『邪馬台国』を、なんとか地図をたどって、この『魏志倭人伝』をこじつける、謎解き論争が繰り広げられているわけです。
いくつかの説を紹介しましょう。
本を読んでいて面白かったのが、飛鳥昭雄氏の「逆転日本列島説」
昔の人の認識では、日本列島がひっくり返ったかたちで認識されていたため、東西南北が45度ずれている、と言う説です。
「混一疆理歴代国都之図」(こんいつきょうりれきだいこくとのず)参照
http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/tenjikai/2002/zuroku/001.html
この「混一疆理歴代国都之図」という、15世紀はじめに朝鮮で作成された地図があり、それによると、たしかに日本列島がひっくり返っているんです。それにそって先ほどの行程でいくと、畿内説になると。
それから中田力氏の「科学的考証」も興味深く読みました。
とにかくこちらは科学者ですから、すべて論理的に、科学の見地で古代史を分解してゆきます。
一里の長さが現在と古代と違うとして言及し、一里を60mとして換算。
当時と『魏志倭人伝』が書かれた時代では、地形が違うという指摘。海抜5mくらいまで海だったときの地図を作成し、『魏志倭人伝』の行程をたどっていきます。
これまでの考古学では、伊都国を糸島市周辺、奴国を博多付近だという意見が当然であり、常識だとしているところがあるのですが、それをすべて否定し、科学的見地で見解を述べているところが目からうろこでしたし、面白く読むことができました。
さまざまな意見がありますし、よほどの証拠でも発掘されないかぎり、答えはでない世界です。
でもそれがまた楽しかったりするんですよね。
いろいろ文献を調べたり、妄想をふくらませて古代のロマンを旅してみてはいかがでしょうか?
ワタシ?私的意見は、九州から機内へと移っていった、関裕二さんの説に一票!
以上はしあきでした。